借金地獄から脱出した体験談『クレジットカードの罠』

借金地獄から脱出した体験談『クレジットカードの罠』

ゆうとさん

このサイトの読者の人から届いた「債務整理の体験談」を紹介します。どういうキッカケで借金地獄にハマっていったのかが、これを読むとよくわかると思います。

もし今、借金を抱えてしまって困っている人はじっくり精読してみてください。貴重な教訓が得られると思います。

体験談を寄稿してくれた読者様(31歳/男性/神奈川県/H.K.さん)

借金をしたきっかけ

初めて借金をしたのは会社の給料日が変更になり、一ヶ月丸々収入がない状態になってしまい、生活費が足らなくなってしまったことから始まりました。

家賃などの支払いが遅れないようになどの思いはあったにせよ、消費者金融に走りました。

一般の企業に勤めていて、収入もある状態でしたので、いとも簡単に借りることができてしまいました。お金を借りるってこんなに簡単なものなんだと思ってしまいました。

その時の金額は30万円。

10万から20万程度あれば良かったのに、30万円借りられるなら借りとこうということで借りてしまいましたが、今思えば、そんなにいらないから20万でいいんだと止めておけば良かったと思います。

本当に必要なお金だけでいいんです、借りるなら。

案の定、まともに使う予定だったもの以外は遊びに使ってしまいました。今思うと、恥ずかしいわ、情けないわという気持ちです。
今思えば、この使い方が最後まで足を引っ張る結果になったのではないかと思っています。

慎重な判断をせずに、余裕があればいいよねとあまりに安易に借りて、余計な遊びにもお金を使ってしまったのが地獄の始まりだったかもしれません。

借りた後には当然、返済が始まるのですが、その返済が普通にできるんですよね。まだその頃は金額もそこまで気にすることのない金額と思ってしまっていましたし、ある程度の金額を返済していても直接的に生活に響いてくることことは全くなかったので、順調に返済が進んでいきました。

結構余裕だったですね、この頃は。

間違った判断!クレジットカードの罠

そこで、なんとかやれてるなと思った私は、クレジットカードに手を出してしまいます。

ただ、クレジットカードというのは、買い物で一回払いしているうちは金利がかからないから消費者金融からお金を借りるより、いいんじゃないかと思って作りました。

もちろん、毎月支払いがあるのですが、クレジットカードというのはちょっとしたコンビニでの買い物から飲食費、衣料品から電化製品まで何でも決済ができてしまうので、便利だと思って、しかも後から返さなければいけないものがあるのに、自分のお金を使うように好き勝手に簡単に使えてしまうこともあり、多い時は最大6枚ぐらいはカードを持っていたと思います。

カードは目に見えないお金が動いているようなものなので、気づかないうちにどんどん買い物や飲食にもうなりふり構わず使っていました。

カードで支払いをしていることがかっこいいなんてアホみたいな考えにもなっていました。

しかし、そんなことが日々続き、どんどん気にせずカードを使い続ければどうなってしまうのか?

借金は莫大に膨れ上がって、恐ろしいくらいの支払金額になっていき、気がつけば、地獄に落ちるのも時間の問題になってしまいました。

雪だるま式に借金が増えていく

当然、クレジットカードや消費者金融の支払い日は毎月決まった日にやって来るわけで、給料から払えるものを払い、それが底をつくと、支払いのためにクレジットカードでキャッシングをし、キャッシングしたお金で返済に行き、普段の生活はカード決済でしのいでいくことになれば、当然生活費が足りなくなってきます。

そうなると、また消費者金融に走り、借金を増やしてはそこで得た現金を持って給料日までなんとか生き延びるこんな生活が5年ほど続きました。

最後の方は膨れ続ける借金がいくらになっているかという現実を見るのが怖くなり、今の借金やクレジットカードの利用可能金額だけを見るようになっていました。そして、現実から逃げるようになって、挙げ句の果てには大きな金額の支払い先についてはいよいよ返済が滞るようになっていきました。

件数が多くなると、電話のかかってくる企業の件数をできるだけ少なくするために、金額の少ないところから片付けようとしてしまいます。

そうなると当然、携帯には毎日電話が鳴りまくり、着信がひたすら鳴っているだけで、携帯電話の電池がなくなるというそんなこともありました。

電話に出なければ、当然のように会社にもバンバン電話が入るようになってきて、会社からは借金があることも当然バレてしまい、会社での立場も悪くなっていき、仕事もうまくいかなくなるという完全に負のスパイラルにはまっていきました。

「なんとかなる」という発想は絶対にいけない!

この段階でもう基本的にはアウトなんですが、それでも不思議と借金をしているとこんなことをいつも考えているんです。

それは、

「お金さえ借りることができればなんとかなる」

と本当になぜかわからないのですが、こんな考えしか出てこないんです。

おそらく、私だけではないと思います。

借りることに慣れてしまっているんですね、きっと。

また、いくら断られるところがあったとしても必死に探せば貸してくれるところに出会えたりしてしまうのです。

だから、普通の人からするとそんなバカなと思われるでしょうが、そう思われてるあなたはだから借金をせずに来たんです。

ついに一般の消費者金融からは借りられなくなる!

話がそれてしまいましたが、一般の消費者金融にはもう借りることができるところがなくなってしまい、どうしたらいいのかと考えた結果がいわゆるヤミ金からお金を借りるということです。

ヤミ金の利息は10日で1割、一週間で2割、一週間で3割というところもありました。

それでも借りることができれば借りるしかなかったとその時は思っていました。

しかし、一週間で2割などの利息なんて到底払えるわけもなく、またもや電話が鳴り続けます。

挙げ句の果てには会社にも居づらくなって、無断欠勤をして逃げるしかありませんでした。

握りしめた数万円だけを持ってマンガ喫茶などで数日泊まったこともありました。

ちょっと落ち着いた頃に家に戻ってみると、アパートの玄関に

「金返せ!」「電話ぐらいしたらどうなんだ」

など7、8枚の張り紙がドアいっぱいに貼られていたり、ピンポンひたすら鳴らされたり、ドアを壊されるかというぐらいのノックや、足でドアを蹴られたりで…。

電気も一日中つけることもできませんでした。

こんな日々にもうどうすることもできず、頼れるものは携帯電話だけでした。

携帯電話だけは真面目に払っていました。こんなことになってしまっても連絡手段だけは途絶えてはいけないと思ったからです。

苦しい生活の中に一筋の光を発見する!

ここまできたら、何をすればいいのかすらわからず、自分身を守るために近くの交番に相談に行ったこともありました。

自分が蒔いた種なんですけど、今思えば。

ただ、当然直接的な効果なんてあるわけもなく、お金は払えず、何もできずの状態が続き、携帯電話で何かいい方法はないのか調べていたら、法律で任意整理というのができるということを見つけました。

任意整理というのは、債務整理の中の一つで、弁護士や司法書士が債権者に対し返済方法や返済額について交渉をし、支払い可能になる様に今までよりも良い条件で合意を成立させる手続きで、裁判所は関与しません。

すべての債務整理の手続きの中で、最もよく利用されるのが、この任意整理の手続きです。

高金利の利率をかけている企業と取引がある場合、利息制限法による引き直し計算を行い、過去に払い過ぎている利息を元本に充当して借金額を減らしていきます。

そして、利息制限法引き直し計算による減額後、将来の利息はカットして分割払いをするという交渉や、過払い金や親族の援助などで一括返済するので借金額を減額して欲しいというような交渉をしていきます。

将来利息のカットは、ほとんどの場合で可能ですが、一括返済による減額は、必ずしもできるわけではありません。

また、裁判所は一切関与しないので、自己破産の時のように裁判所に提出する書類の用意は必要ありません。

もうこれで何も心配しなくても大丈夫ですよ!

弁護士や司法書士にもよるのでしょうが、大概、債権者1社あたり4万円から5万円ぐらいが相場でしょうか。司法書士の場合は3万円台でできるところもあります。

そして、弁護士事務所や司法書士事務所の中には分割払いや後払いでも対応してくれるところがありました。

私は藁をも掴む思いで、債務整理を専門に扱っている法律事務所にお願いすることにしました。

司法書士の先生から

「もうこれで何も心配しなくても大丈夫ですよ!」

何が大丈夫なのか全くわかりませんでしたので、何が大丈夫なのかを先生に尋ねると、

「ここからは〇〇さんは、絶対に電話がかかってきても家に取り立てがきても全く無視してください。家に来た場合はすぐに警察に電話してくださいね」

別に大丈夫ではないと思うのですが、それはもしもの時の対策ということで、基本的にはほとんどの企業はもう法律事務所とのやりとりになるので、自分のところには連絡は一切来ないというのが通常です。

しかし、私の場合、ヤミ金にも手を出していましたので、何をしてくるかわかりませんから、そのために一応予防線を張ってもらえたというところと思います。

実際は数日いろいろ嫌がらせや、他社のヤミ金から勧誘の電話は何軒かありましたが、それでも電話はそこまで長くない期間でなることはなくなりました。

会社は辞めたというか、自分から逃げ出してしまったので、借金の取り立ては無くなりましたが、司法書士費用と、各社の借金は利息を少し減らしてもらって合わせた金額を3年36回で分割して月に8万円程を払わなくてはいけません。

取り立ては無くなりましたが、借りたものはゆっくりでも返さなければいけませんので、仕事を探すことから始まりました。

取り立てがなくなったので、ほんの少し前は携帯電話の着信音だけでも耳を塞ぐような状況だったのに、早く働きたい、もう一度人生やり直したいとむしろ躍起になって企業から採用の電話をワクワクしながら待てるようになりました。

そして、仕事も順調に決まり、収入もある程度安定して、毎月きっちり返済をして、最近全額返済できました。

この数年間、お金の大切さを認識しましたし、借金の恐ろしさを身に染みて実感し、今後の人生において気をつけていこうと決心したところです。

自分をもっといろんな意味で大事にしなければいけないと考えさせられる時でした。

本当に任意整理ができて感謝の気持ちでいっぱいです。

クレジットカードという小さなキッカケが全ての始まりだった!

ゆうとさん

「えっ!クレジットカードでのたった30万円の借金から!?」と感じたと思います。最初のキッカケなんてそんなものです。

でも、借金はあっという間に雪だるま式にどんどんと増えていきます。だから、借金の問題というのは誰にでも抱えてしまうリスクがあると思います。

そして、もし仮に借金地獄に陥ってしまっても大丈夫!一日も早く債務整理の専門家に相談して、借金地獄から脱出しましょう!

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34歳の元弁護士ライター。大手法律事務所に10年、勤務していました。主に任意整理と自己破産の案件を担当していました。現在は法律の知識を生かして、WEBメディアの執筆、法律系の動画コンテンツの脚本執筆を行っています。