【女性の任意整理体験談】借金生活を始めてしまった3つの要因

【女性の任意整理体験談】借金生活を始めてしまった3つの要因

かなちゃん
このサイトの読者の人から届いた「任意整理の体験談」を紹介します。どういうキッカケで借金地獄にハマっていったのかが、これを読むとよくわかると思います。

もし今、借金を抱えてしまって困っている人はじっくり精読してみてください。貴重な教訓が得られると思います。

体験談を寄稿してくれた読者様(24歳/女性/東京都/W.K.さん)

私が借金生活を始めてしまった3つの要因

高校卒業後、進学の為に上京し1人暮らしを始めました。

私が生まれ育ったのは北海道の小さな町です。デパートもショッピングモールもありませんでした。そんな娯楽の全く無い田舎で育った私にとって、東京には楽しいことが溢れていてとても誘惑が多い場所でした。また、20歳を過ぎると保護者の承諾なども必要なく気軽にローンやキャッシングが出来てしまいます。

都会ならではの娯楽の誘惑に抗えなかった。
簡単にお金を借りられてしまうことを知ってしまった。
親元から離れていた為、誰も止めてくれる人がいなかった。

これら3つの要因が重なってお金の使い方が狂ってしまったことが私の借金生活の始まりでした。

最初のきっかけは、街で勧誘されたスキューバダイビング教室

大学2年生の夏のことでした。

学校から帰る途中に駅前でダイビングスクールのチラシを渡されました。そのチラシには沖縄やサイパンの海中の美しい風景の写真がたくさん載せられていました。雪国育ちで南の青い海への憧れのあった私はとても興味を惹かれました。当時はアルバイトをしていて自由に使えるお金が月に10万円以上あり、余裕があったため勧誘されて、そのままスクールの入会申し込んでしまいました。

講習を受けてライセンスを取得した後はすっかりダイビングにハマってしまい、長期休みになると何度もツアーに参加しました。10回目の日帰りツアーに参加し、「そろそろ海外の海にも潜ってみたいなー。」なんてことを考え始めた頃のことです。インストラクターから機材の購入を勧められます。

一式買うと100万円近くもする高すぎる買い物に初めは「無理無理!!そんな高いもの買うお金ないし、レンタルで十分ですよ。」と断っていましたが、「ツアーの度に毎回機材レンタルするのは長い目で見るとかえって費用が嵩むし、機材を買った人は海外ツアーの代金が割引になったりレベルアップ講習が無料になったりと色々と特典があるよ。」と説明されました。

結局、誘惑に勝てず5年間で月々2万円のショッピングローンを組んで購入してしまいました。

就職後、返済が困難になり消費者金融でキャッシング

大学卒業し就職すると実家からの仕送りもなくなる為、当然のことですが学生の頃よりも自分の自由に使えるお金が大幅に減ってしまいます。学生時代月2~3回行っていた日帰りダイビングツアーに行く時間も全く取れなくなっていました。それどころか初任給では最低限の生活費と返済のみで終わってしまう有様でした。

ダイビングに行けなくなった途端に100万円もした機材は置き場所に困るだけの邪魔な物となってしまいます。「こんな邪魔臭くて使い道の無いものの為にカツカツの生活をしなくてはならないか」と、簡単にローンを組んでしまった20歳の自分にとても腹が立ちました。この時の私は過去の自分の軽はずみな行動に激しく後悔をして、もう二度と借金はすまいと固く心に誓った………はずでした。

借金はもうしないと決意をしてからというもの、切り詰めた生活をしながらショッピングローンの返済を続けていました。ところが社会人3年目に携帯電話のパケット通信の使い過ぎてしまい(当時はガラケーで通信料も今より高かった)生活費が足りなくなってしまったのです。

今思えば実家の母に電話して貸してもらう等すれば解決した問題だったのですが、プライドが高く家族には恥ずかしくて相談出来なかった私は消費者金融(プロミス)へ借り入れの相談に行きました。

その時、必要だったのは1~2万円程度だったのですが、審査での融資可能と伝えられた金額はすでに100万円のショッピングローンの借り入れがあるにもかかわらずまさかの30万円。その金額を見た途端に職場での上司や同僚からのパワハラ、セクハラや好きなことにお金を使えない貧乏生活へのストレスが一気に爆発してしまいました。これまで溜まりに溜まったストレスを発散するため、私はダイビングツアーや買い物、飲み代などで限度額の30万円をたったの2~3ヶ月で使い切ってしまいました。

ここで借り入れを辞めておけば良かったのですが、金融会社から電話があり限度額が50万円に上がったと言われ、また借り入れをして使い切ってしまいました。そうすると、また限度額引き上げの連絡→借り入れの繰り返しとなり最終的に借金は80万円に。

支払いが厳しくなり、別の消費者金融へ(アイフル)で借り入れをすると最初の金融会社と同じく徐々に限度額引き上られていきその度に借り入れをしてしまうというループに陥ってしまいます。

これを繰り返していくうちに最終的に借金は180万円まで膨らんでいました。現在だったら絶対にありえない貸付額です。「貸付金額は年収の3分の1まで」という総量規制が完全施行される2010年以前だったので借金が年収の6割にも及ぶ金額になってしまうというありえない事態となってしまったのです。

その頃には職場でのポストも上がり手取りも増えていたものの、借金が膨れ上がりすぎてしまった為、リボ払いで月々返して行くのが精一杯の状態になってしまいました。リボ払いの最低金額を毎月こつこつ支払い続けましたが、一向に残額が減ることはありませんでした。

当時はグレーゾーン金利という利息制限法で定められた上限金利を大幅に上回る「27%」とい高い金利が設定されていました。そのため、支払い期間が長引けば長引くほど返済額が恐ろしく膨れ上がっていたからです。それでもどうにか2社分60万円を完済したころ、勤め先が倒産することとなりました。

ちょうどその頃は過払い金請求のテレビコマーシャルが流れ出した頃でした。インターネット上で過払い金の金額を調べられるサイトがあったため自分の借金額を入力してみることにしました。すると過払い金がかなりあることや債務整理をすることで借金を大幅に減額できる可能性が大きいことが判明しました。職場や家族に気付かれずに手続きをすることも可能とのことでした。

こうして私は、転職を機に債務整理をして生活を立て直すことを決意したのです。

債務整理の手続き

事務所選び

まず初めに迷ったのが、弁護士事務所と司法書士事務所のどちらへ依頼するかです。まずは料金を比較した結果、職場の近くにある司法書士事務所へ相談してみました。

弁護士事務所司法書士事務所
着手金1社につき2~3万円なし
成功報酬金1社につき2~3万円1社につき2万円
過払い報酬返還額の21%返還額の15%
減額成功報酬減額分の10%なし

次に双方のメリット・デメリットを比較しました。

弁護士事務所司法書士事務所
メリット
  • 権限や法的手続きに関する業務範囲に制限がない。
  • 訴訟になっても対応が可能。
  • 費用が安い
  • 1社140万円以内なら手続きの代行が可能。
デメリット
  • 費用が高い
  • 訴訟になった対応できない。
  • 扱える事案に制限がある。

以上を比較した結果、費用が安く済むという点から、司法書士事務所へ依頼することに決め、職場から近い事務所を選びました。

手続きに必要な物を揃える

司法書士事務所へ電話をし、現状の借金について口頭で伝え債務整理をしたい旨を相談しました。すると、1日でも早く債務整理手続きをした方が良いいう返答がされました。

すぐに手続きが行えるようにするために必要書類を用意するように言われたので、大急ぎで用意し、翌日事務所を訪問しました。

  1. 身分証明書

免許証が無いので、顔写真付きの住基カードを持っていきました。

  1. 印鑑

シャチハタ以外のもの。

  1. 借金の詳細の分かるもの

請求ハガキや明細書を持っていきました。書類が無くても情報の開示は可能。

  1. 収入の分かるもの

源泉徴収票など。私の場合は、返済可能額の参考にするために直近3ヶ月分の給与明細を持ってきてほしいと言われました。

  1. 住民票

本籍がのっているもの。

  1. 預金通帳

これも返済能力を知る為の目安になるそうです。

いざ司法書士事務所へ

かなちゃん
こんにちは。昨日お電話でご相談させていただいたWと申します。
ゆうとさん
どうぞお入り下さい。よろしくお願い致します。早速ですが、昨日お電話いただいた内容ですと、過払い金の請求と任意整理で解決が可能ですね。ただし、任意整理をすると今お使いになっているカードローンなどはもちろん新規クレジットカードの作成などの新たな借り入れが出来なくなります。その点、問題ありませんか?
かなちゃん
はい。カードなどが手元にあるとまた使ってしまう恐れがあるので、この際全部断ち切ってしまった方が良いと思いますので。
ゆうとさん
承知致しました。それでは、早速手続きしていきましょう。まずそれぞれの金融会社へ任意整理の依頼を受けた旨を通知します。そうすると交渉成立するまで支払いがストップします。その間に費用を積み立ててもらいます。毎月月末に2万5千円ずつ4回振り込んでいただきます。過払い金の返還があった場合はその中から報酬や費用が相殺されるので、積み立てたお金を返還出来ることもあります。あと、今手元にあるカードは使えないようにこの場でハサミを入れて下さい。
かなちゃん
はい。よろしくお願いします。(ハサミを受け取りカードに切れ込みを入れる)
ゆうとさん
Aさんの給与振込口座はどちらの銀行ですか?
かなちゃん
三菱東京UFJ銀行です。
ゆうとさん
バンクイックとアコムが債務整理の対象となっているので、受任通知が向こうに行った後に口座が凍結されます。凍結されるとお金を引き出せなくなるので、すぐに会社に連絡して振り込み口座を他の銀行に変更してもらって下さい。給与振込口座の変更が終わったら受任通知を出すので連絡して下さいね。口座にお金が残ったままだと借金の残額と相殺されてしまいますので、すぐに全額引き出してしまった方が良いですね。
かなちゃん
わかりました。よろしくお願いいたします。

手続き終了、借金が大幅に減額されるまで

  • 給与振込口座の変更

会社の経理宛に電話をしてすぐに変更手続きが出来ました。

  • 金融会社へ受任通知を発送

この時点で支払いの催促が一切来なくなり、手続払いのきが終わるまでの間は支払いもストップします。

  • 費用の積み立て

毎月月末に25,000円を4回で100,000円を司法書士事務所の口座へ振り込み。

こうして最初に相談をした日から4か月半が経過したころ、司法書士事務所から一通のメールが届きました。

ゆうとさん
債権者との和解が終わりました。9月末から返済開始で、3社合計で毎月2万円の返済になりました。(初回だけ端数が出て、4,096円です)10月末と11月3日にアイフルとプロミスの過払い金が戻ってきます。書類をお渡ししたいので、9月20日くらいまでに一度事務所にお越し頂ければと思います。ご都合の良い日時を教えてください(時間は10分程度です)。

こうして無事に私の任意整理は終了しました。

債務整理をした結果

  1. 月々の支払い額が減額

45,000円から半額以下の21,000円に下がりました。

  1. 借金の残額が大幅に減額に

過払い金で借金額が相殺されて30万円の減額。

  1. 過払い金の返還

完済していたアイフル・プロミスの過払い金が30万円戻って来ました。

  1. 利息がカットされる

利息18%で同じ回数支払い続けた場合と比べて50万円近くの減額となりました。

債務整理を終えて

まず一番大きかったのは、過払い金がかなり戻ってきたことです。報酬を引いても20万円以上手元に残せました。

次に大きかったのは利息が無くなったことです。以前は同じ金額1年間支払い続けても7~8万くらいしか減らなかったのが、債務整理をした後は支払いをすれば支払った分だけ借金が減っていくので少しずつでも着実にゴールへ向かって行っているのが目に見えて実感出来るようになりました。ずっと終わりの見えない支払い生活を何年も続けていた私にとって一筋の希望の光が見えたような気がしました。おかげで気持ちも前向きになれました。

債務整理をしたことで、生活に無理の無い額で返済が続けられるようになり、新たに借金を作ることが無くなったので家計の計算なども大幅に見直しが出来るようになりました。借金地獄に陥っていたころは、返済をして生活費が足りなくなったらまたキャッシングから引き出しての繰り返しだった為、家計の収支のバランスが破たんしてしまっていて、自分の家計の内訳も全然分かっていない状態でした。それが今では自分が働いて稼いだお金しか手元に入ってくることはない為、限られたお金の中でやりくりをするという当たり前のことが、やっとできるようになったのです。

気持ちに余裕が出来たことで、以前は苦痛だった節約や自炊も楽しんで出来るようになり今では料理の腕も上達しました。食費も以前よりも大幅に見直されて債務整理をする以前の3分の1以下に抑えられるようになって少しずつですが貯金も増えてきました。そして今、借金の返済も残すところあと半年となりました。返済が終わったら自分へのご褒美に高級なお寿司屋さんへ行く予定です。

もし債務整理をしなければ、きっと今も終わりの見えない借金生活を続けていたと思うと本当にゾッとします。あの時債務整理という道を選んでよかったと完済目前となった今改めて強く実感しています。

おわりに

かなちゃん
いかがでしたでしょうか? とてもよくまとまっていて、わかりやすい体験談だったと思います。弁護士や司法書士を間に挟むことによって、借金が増えていくことがなくなり、確実に借金の元本が減ってきます。

借金を抱えた多くの人はこのことになかなか気が付かないで、ひたすら借金を膨らまし続けています。いつかは接続できなくなるので、何らかの借金を抱えていて、支払いに困っている人は早めに専門の法律事務所に相談しましょう。本当にそれに尽きると思います。

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34歳の元弁護士ライター。大手法律事務所に10年、勤務していました。主に任意整理と自己破産の案件を担当していました。現在は法律の知識を生かして、WEBメディアの執筆、法律系の動画コンテンツの脚本執筆を行っています。